札幌市 石狩市 合気道道場

北海道春風館

石狩市花川北1条5丁目185
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草枕日記 第六話

 この「Marrakech」の町はおもしろい、特にメディナの広場では色々なショウがただで観られる(いわゆる投銭興行)蛇使い、猿回し、占い師、アクロバット、民族ダンス等わけのわからないショウが常時行われている。ものすごい数のお土産やもあり、路上の食べ物屋もある。









マラケシの広場

 こんなエピソードがあるー路上の店で名物のシシカバブー(羊肉の焼鳥)を食べていた時である、わたしがひとかけらの肉を道に落してしまった。私が拾おうと手を延ばした時、どこで見ていたのか“小さな子供の手”がいち早くそれを拾い、自分の口に入れて食べてしまった。この時は、すっかり現実に戻されてしまった。
 その広場で“ジラバ”(モロッコの民族衣装で、丈は足首まであり、フードが付いている)を買う。これを着て歩けば、あまり目立たなくなるし、“シノワ”(中国人のこと)とも呼ばれなくなるだろう。 この町には結局5日間も滞在してしまう。さすがに飽きたのか、帰り際にはこんな「詩」を残している。


              《マラケシ》
大きな広場のある町マラケシ
蛇使い、猿回し、占い師等がいる町マラケシ
シシカバが5本1ディラハムで食える町 マラケシ
ジラバを着て歩いた町 マラケシ
何でも3分の1まで値切ることのできる町 マラケシ
「ノー高い」「持ってけドロボウ」片言の日本語を話すやつのいる町 マラケシ
しかし、マラケシには旅行者が多すぎる
マラケシには乞食が多すぎる
マラケシには俺をシノワと呼ぶやつが多すぎる
マラケシには「ハッシッシ・キーフを買わないか」と言うやつが多すぎる
マラケシには「ぼる」ことしか考えていない店が多すぎる
明日俺はこの町を出るんだ。そして静かな田舎へ行くんだ
さよなら、俺の嫌いな町 マラケシ

 昨晩は一睡も出来ず、ここマラケシで知り合ったプロカメラマンの「宝田氏」を起こし、一緒に「Tarodont」行きのバスに乗ったのが、朝の5時。バスは6850feetの「アトラス山脈」を超える、頂上付近には白い雪が残って、非常に寒い。ジラバを買っておいて正解だった。その日はその町に泊り、翌早朝再びバスに乗り「Ouarzazate」へ向かう。
 アトラスの谷間をめぐるバスからの風景はマカロニウエスタン的であった。途中側溝に車輪を落して傾いたバスとすれ違う。そのまま行き過ぎるのかと思っていると、何とバスを止めて二台の乗客全員で、そのバスにロープを掛けて皆で引っ張り出した。
 人海戦術作戦が効をそうし、バスは30分ほどで側溝から脱出する。(当日朝から下痢気味だった私は、これを幸いとばかりアフリカ初の野糞を敢行、広大な荒野のど真ん中での野糞は最高であった)予定より30分遅れでバスは「Ouarzazate」の町に到着した。