札幌市 石狩市 合気道道場

北海道春風館

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草枕日記 第八話

 2月14日、吹雪のアトラス山脈を超えて「Mekness」と言う町へ行く。この町は寒い、南のオアシスの町から一気に北へ半日も走ったので、しょうがないか。しかしモロッコでちょっと時間とお金を使いすぎている、早くアルジェリアに向かおう。


 「Fes」を通り「Oujida」でアルジェリアのVISAを取る。モロッコのお金(ディラハム・DH)を残しもしょうがないので、最後の「クスクス」(モロッコ名物、粟の料理)を食べる。
2月17日(土)やっとアフリカ二ヶ国目「アルジェリア」に入国。しかし両国の税関を抜けるのに、かなりの時間がかかり、その上そこでは両替が出来ないと言う。今日は土曜日なので銀行もしまっているし、「しょうがない久しぶりでヒッチハイクでもやるか!」
 10時半頃から開始、一台目は馬車の荷台(のどかですね)、2台目、3台目はトラックの荷台、4台目はタンクローリーの助手席に昇進し、5台目にやっと乗用車を捕まえ目的地「Oran」に到着、午後3時半。この町はばかでかく、つまらなそうな町なので、闇の両替商でアルジェリアのお金(ディナール・DN)を手に入れ、夜行列車で首都の「Alger」に行く。この町で再び「宝田氏」に偶然会う。二人で部屋を借り(この方が断然安くつく)ニジェール、ナイジェリア、カメルーンのVISAを各大使館を回り取得する。
 この間4日を費やし、おまけにニジェールには3月10日以後に入国し、4月8日までに出国の期限。カメルーンには4月20日以後に入国し、5月21日までに出国の期限を付けられてしまう。 
 しかし、このBig Africa でこんなに細かく出入国を決められて旅が出来るのだろうか、とにかく、これらの国の滞在期限に従ってスケジュールを決めていこう。今晩はアルジェリアの大衆浴場(Douche)で一月ぶりでホットシャワーを浴び、明日からのサハラ砂漠の旅に備える。

 アルジェリアで人に会ったら「サラマリコン」と言う。(意味は“peace with you だそうだ)、先に言われたら「サラー」と返す。ここでこの町で読んだ詩を一つ紹介しよう。


             《異邦人》


     雨に煙ったアルジェの町を一人さまよう異邦人
     ジラバで包んだその顔は何故かひどくさみしそう
     ジラバで覆ったその身体何故かかすかに震えてる
     冷たい雨に濡れながらわき目もふらず歩いている
     どこから来、どこへ行くのか異邦人
     何を考え、何を夢見ているのか異邦人 黒い瞳が燃えている
     雨に煙ったモスクの前を一人さまよう異邦人
     カスバの中のその顔は何故かひどく悲しそう
     カスバの中のその身体、何故か不安におののいている
     冷たい雨に濡れながら、うつむき加減に歩いている
     どこから来、どこへ行くのか異邦人
     何を考え、何を求めているのか異邦人 黒い瞳が燃えている!