札幌市 石狩市 合気道道場

北海道春風館

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草枕日記 第七話

 2月10日(土)今日も早朝のバスで次の町「Elford」へ向かう。この辺りはもう「サハラ砂漠」の片隅で、バスは砂漠の中の一本道をひた走る。砂漠と言っても「アラビアのローレンス」に出ていたような黄色い砂丘には道は作れないので、荒粒の石や岩がごろごろしている砂漠だ。何とかバスは夕方「Elford」の町に到着する。
 翌朝、郊外の小さな村「Rissani」まで行く。途中の浅い川を渡る途中で車がエンコして動かなくなってしまう。すると近くの大勢の子供達が車を皆で押してくれ脱出できた。
 アフリカの人々は皆親切で人情味あふれる事ばかりだ。この砂漠の中のオアシスの町には「ラクダ」や「ロバ」のマーケットはあるし、豆等の市場、銀細工の工芸品、お土産類の市場が立つ。しかし敬虔なイスラム教徒が多いのか、町行く婦人はこの暑さにもかかわらず真っ黒な服とベールで全身をすっぽり覆い隠している。
 しかし子供達はひとなつっこい、カメラを向けると逃げ出す子が多いが、すぐ又そばに寄ってくる。その中に「写真をとってちょうだい」と身振りで知らせ、1枚撮ってあげると「ちょうだい」と手を出して私を困らせた、かわいい女の子。あの子はどんな大人の女性になったのだろうか?


            《リサニ》


Rissani ちょっぴり好きになった町
Rissani オアシスのきれいな町
Rissan ちょっぴり砂漠の感じが味わえる町
Rissan あのままずっと、そっとしておきたい町
いつか又きっと訪れるだろう南の小さな町Rissan

 「Elford」滞在3日目、郊外の砂漠の中を散歩していると、テント張りのような一軒家があるので、覗いてみるとお茶を勧められる。彼等はとても人懐こく、すぐ握手を求めてくる。身振り、手振りだけの会話が30分以上続き、帰り際に彼等は一匹のトカゲを私にくれた。「こいつは噛み付くと絶対離さないので、口を糸で縫ってあげる」「そんなことしたら餌は食べれないのでは?」「こいつは何も食べなくても平気さ、空気があれば生きていける」「本当かな」こんな会話?(言葉は通じていない)をしながらもトカゲの口は糸で縫われてしまった。体長25cm、緑色のボディ、精悍な目、とげのあるしっぽ、やわらかな肌の手触りは何とも言えぬ快感がある。(あとで調べると、こいつは「Arabian Spiny-Tailed Lizard」という種類で、成長すると1m位にはなるそうだ.地元の人はこいつを「ドッブ」と呼ぶ)私はこいつに「マホメッド」と名づけ、今後2ヶ月ほど一緒に旅することになる。……私が去った後、彼等は外でお祈りを始めた。何をアラーの神に祈ったのか私はわかったような気がした。私は良き訪問者であったに違いないから。          













マホメッドと筆者